円形脱毛症、後輩のお嫁さんが発症したそうです。てっきり部下と上司の板挟みになってる中間管理職の男性に多いのかと思っていたのですが、意外にも若い女性に多いようです。
円形脱毛症 女性がなる原因
円形脱毛症の原因は、自己免疫疾患という説が有力だとされています。
免疫には、感染、病気、望まれない侵入生物などを防御する機能があります。外部からの侵入物を攻撃するのが本来の機能なのですが、異常が生じてしまい、自分の体の一部分を誤って攻撃してしまう症状を自己免疫疾患といいます。
本来やってはいけない毛根組織を攻撃してしまうと、毛根が壊れ、抜けなくていい健康な髪が抜けてしまいます。
この自己免疫疾患を引き起こす原因とされているものがいくつかあります。
精神的ストレス
円形脱毛症の原因は精神的ストレスが原因だと言われていました。しかし、生まれたばかりの幼児にも発症していることから、精神的ストレスがすべての原因ではないとされています。自己免疫疾患を誘発する原因の1つという扱いです。
精神的ストレスを受けると、人間の体の中ではストレスを防御するために、交感神経が働き出します。交感神経は、ストレスを感じている時の他に、緊張している時や、昼間の活動中に働きます。
その交感神経は、ストレスが強すぎたり、徐々に蓄積されていくと異常をきたします。血管を収縮させて、体の隅々まで血が巡りにくくなります。心臓から遠い場所にある頭皮にも、血が届かなくなり円形脱毛症になるという考えもあります。
遺伝
円形脱毛症は遺伝的要因が関係する可能性が高いという報告もあります。
欧米の調査では、
「円形脱毛症患者の一親等の発症率は、二親等以上の家族の10倍」
という結果が出ています。
遺伝子レベルの解明はされていません。
円形脱毛症を発症した家族がいる場合、発生する確率が高めだと思っておきましょう。
ホルモンバランス
妊娠から出産後に、女性ホルモンが減少することも、円形脱毛症の原因の一つだと言われています。妊娠中は、女性ホルモンのエストロゲンが通常の100倍以上に増加します。出産をすることで一気に元に戻ります。女性ホルモンのエストロゲンには、発毛促進の作用があります。一気に減少することで抜け毛につながることがあります。
発毛サイクルの関係で出産後半年間は抜け毛が増えます。頭髪全体のボリュームが減るという症状が多いのですが、円形脱毛症になることもあります。
アトピー
円形脱毛症患者の4割以上が、アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎のいずれかを持っていると言われ、半数以上が、本人または家族にいずれかの症状が認められることから、関連があるとされています。
円形脱毛症の症状はいくつかあります。
円形脱毛症の症状
単発型
初期症状に最も多く見られるケースで、10円玉程度の円形に抜け落ちます。
1箇所~3箇所以上できる場合もありますが、単発型の場合、6割以上が半年から1年以内に自然に治ることが多いです。
多発型
2箇所以上で円形脱毛が発症します。
単発型と違い、一度治っても再発してしまいます。
脱毛部分が近いと、つながって広がってしまう場合があります。
治療しても、完治するまでに2年ほどかかることがあります。
全頭型
多発型が進行し、脱毛部分が重なって広がります。
頭髪全体が抜け落ちてしまいます。
完治するためには長時間の治療が必要です。
汎発型
重度の円形脱毛症です。全身脱毛症とも言われます。
頭髪のみならず、眉毛、まつ毛、体毛、すべて脱毛してしまいます。
完治するためには長時間の治療が必要です。
円形脱毛症の女性 治療法は?
初期段階の円形脱毛症、単発型は半年から1年以内に自然に治る確率が6割以上あります。
脱毛部分の大きさが、10円玉サイズで止まった場合には様子を見てみるのもいいかもしれませんが、重症化する場合も初期段階は同じ症状です。
進行具合が早かったり、ちょっとでもおかしいなと思ったら早めに皮膚科で診てもらいましょう。脱毛専門の外来がある大学病院もあります。
自然に治る確率もあるために、悪徳な治療方法をする病院もあるという噂を聞きますが、今のご時世、インターネットでその辺の情報は調べられます。評判などを調べてから診察を受けることをおすすめします。
治療には、
ステロイド局所注射
炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイドを注入する治療法です。
副作用があるため子供には行えません。
局所免疫療法
人工的にかぶれを起こさせることにより発毛を促す治療方法です。
高い発毛効果があるといわれていますが、副作用により一時的に症状が悪化することがあり、注意が必要です。
治療期間は半年から1年以上かかります。
日本では保険適応の認可がおりていないため、保険がききません。
内服薬の服用
ステロイド内服
炎症や免疫機能を抑える効果がある飲み薬です。
肥満、糖尿病、生理不順、消化器不全などの副作用を発症する場合があります。
抗アレルギー薬
花粉症などのアレルギー症状を緩和する治療薬です。
アトピーの症状がある患者に効果が認められています。
セファラチン
アレルギー反応を抑制する作用や、血流を促進する作用などがある治療薬です。
胃の不快感や食欲不振などの副作用を発症することがあります。
グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合剤
炎症やアレルギーを抑える作用があります。
血圧上昇や腹痛などの副作用が報告されています。
外用薬の使用
ステロイド外用
炎症や免疫機能を抑える効果がある塗り薬です。
塩化カルプロニウム外用(フロジン液)
市販の育毛薬にも含まれている成分です。発毛効果が認められています。
ミノキシジル外用
発毛効果が認められている薬です。
血管を拡張する効果があります。
紫外線
患部に紫外線を照射します。
症状により異なりますが、2週間に1回~6回程度、数か月にわたって治療を行います。
肌の炎症や、水ぶくれができるなどの副作用が生じる場合があります。
ドライアイスや液体窒素
患部にドライアイスや液体窒素をあて、冷却することにより、誤作動を起こしている免疫細胞の働きを抑え、発毛を促す治療法です。治療の際に、軽い痛みがありますが、副作用はほとんどありません。
レーザー
皮膚の奥まで届く特殊な赤外線を患部に照射する治療法です。
副作用も軽いため、単発型や多発型の治療に使用される場合があります。
ステロイド点滴
ステロイドを3日間ほどの短期間で大量投与する治療法です。
入院が必要になります。
不眠、動悸、頭痛、微熱、倦怠感などの副作用を発症する場合があります。
病院での治療を受けながら、自分でも改善できるところを探しましょう。
- 規則正しい生活
- バランスのとれた食事
- 髪を清潔に保つ
- 頭皮のマッサージ
メンタル面でも、精神的ストレスを緩和することが必要です。自分がリラックスできる状態を作りましょう。
円形脱毛症 女性はかつらが充実
後輩のお嫁さんは、病院で診てもらい、初期状態なのでちょっと様子を見ましょうということになったそうです。自然に治る可能性が高いことを知り、ちょっと安心したそうです。
そして、せっかくだからということでかつらデビュー、ウィッグデビューしたそうです。実はずっとウィッグってやってみたいという願望はあったみたいです。
後輩は、
「髪は女の命っていうからなあ」
という気持ちになり、ネットでウィッグのことを調べていたお嫁さんに、
「買ってあげるから好きなの選びなよ」
といったところ、
一気に4つ買わされたそうです。
話を聞くと、お手軽な値段のウィッグが増えているらしく、思っていたよりも安く済んだそうです。
スマホで、4種類のヘアスタイルを見せてもらったのですが、4つともいい感じに見えました。ウィッグは女子の中では、おしゃれアイテムとして使われるものなので、全然違和感がありません。若く見えたり、仕事ができそうに見えたりと、表情が変わったように見えてちょっと楽しめそうにも思います。
後輩も、一緒に買い物に行く時に、
「今日はこれで」
と、ウィッグのリクエストをするようになったそうです。
4つのうち1つ、後輩が気に入らないウィッグがあるらしく、一緒に出歩くときはつけさせないという、どうでもいい情報まで聞かされました。なんかちょっと楽しそうでした。
ちなみに、円形脱毛症、2か月で大きさが半分になったそうです。
円形脱毛症になってしまったタイミングでウィッグデビューというのも、意外とストレス発散になったりしているのかもしれないです。
楽しんで治るんだったらそれが一番いいような気がします。
まとめ
自然に治る可能性がある場合、病院の診察を受けるか迷います。
放っておくことで、これから先どうなるのかという不安がつきまとうのであれば、それもストレスになると思います。
後輩のお嫁さんは、病院で自然に治る可能性があって、初期症状だということを聞いて安心することにより、ストレスが緩和されたものと思います。
ついでにウィッグで楽しんでしまったというのも良かったのかもしれません。
ちょっと楽しそうに見えたもので、こんなこともあるみたいですってことで、円形脱毛症になった女性の一例をご紹介しました。