うぅ、かゆいかゆい。触らない方が良いのは解っているけど。解ってはいるけれども、ついつい触ってしまうのが目のかゆみ。
あまりにも目のかゆみがひどくなると集中力を欠いてしまうなど、日常生活にも悪影響が出てしまいます。
目がかゆいし痛い 目やに 涙 腫れがある
目に起きる異常というと、目のかゆみがぱっと思いつきますが、かゆみに伴い痛みや腫れ、涙や目ヤニが出たり、白目が充血するなどの症状も出る事があります。
目に髪の毛や睫毛が入ったり、砂埃などのゴミが入ったりする事で角膜が傷ついてしまった。という事も考えられますが、余程強くこすってしまったりしない限り、この場合は一過性の痛みやかゆみの症状が起きるだけで、目薬などで洗眼する事で収まります。
目薬で洗眼するなどの処置を行っても、集中力を欠いてしまうほどの目のかゆみ(目がかゆいのがずっと気になっている状態)、痛みや腫れ。涙や目ヤニが出るなどの異常が続く場合、考えられる病名としてはこの様なモノがあります。
- アレルギー性結膜炎
- 春季カタル
- ものもらい
- ドライアイ
一括りに目がかゆい、痛い、腫れる、涙が出るといっても、一般的にかかりやすい病気だけで大きく4種類あります。
目の異常が長引く場合は上記の眼病を疑いましょう。
これらの病気になぜかかってしまうのか、なぜ症状が出ているのか原因を知る事は、治療を行う上でとても重要になってきます。原因に沿った治療を行わなかった場合、いつまでたっても治らない事も考えられます。
なぜ、目に異常が起きているのか原因をしっかりと把握した上で、適切な対処をしましょう。
目がかゆいし痛い 原因は?
4つの眼病の原因をチェックしておきましょう。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎とは、眼の表面にアレルギー反応を引き起こす物質が付着するために充血や痒みが起きる病気です。
アレルギー反応を起こす物質として、主に花粉、ダニやほこりなどのハウスダスト。犬や猫など動物の毛があります。最近では黄砂やPM2.5などでアレルギーが起きる事も増えています。
花粉症の様に起きる時期が決まっている場合は「季節性アレルギー性結膜炎」と呼ばれます。ハウスダストやペットの毛などが原因で、季節を問わずいつでもなってしまう場合は「通年性アレルギー性結膜炎」と呼ばれます。
アレルギーの原因となる物質が目に入る事で、免疫機能が活発になり過剰な拒否反応を起こすとヒスタミンを大量に放出します。ヒスタミンというのは、体の中で神経の伝達などにかかわっているホルモンのひとつです。このヒスタミンが眼を刺激して充血や痒みの原因になります。
春季カタル
アレルギー性結膜炎が重症化してしまったモノを春季カタルと呼びます。アレルギー性結膜炎が元になっているので、やはり原因はアレルギーです。
症状としては目のかゆみや充血、痛み、まぶたのむくみ、ゴロゴロとした異物感、大量の目やになどがあります。小児や青少年に多く発症しますが、これらの症状は大人になるとともに落ち着いてくることがほとんどです。
春先にかけてこの症状が出る事が多かった為にこの病名になったと言われていますが、現在では春だけでなく、いつの時期でも同じ症状が出る事があります。
春季カタルは、次の3つに分けられます。
症状によりまぶたの裏側が凸凹に腫れます。 check眼球型
角膜の周りの結膜が盛り上がってしまいます。 check混合型
眼瞼型と眼球型の症状が一緒に現れます。
また、結膜が厚くなってしまうことで角膜(黒目の部分)に摩擦が起こり、それによって角膜が濁ったり、視力が下がったりする症状を起こすこともあります。
ものもらい
地方によって、「めばちこ」、「めいぼ」、「めっぱ」など呼ばれているものもらいは、正式には「麦粒腫」と呼ばれておりウィルスに感染する事が原因で起こります。
症状として始めは痒く、徐々にまぶたが赤く腫れて痛むようになります。耳たぶの付け根のリンパ節の腫れを伴うこともあります。
瞼の外側に出来る事が多いですが、瞼の内側に出来てしまう場合もあり、そうなると激しい痛みを伴います。
ウィルスにより化膿した部分から、膿が出る事で快方に向かう事が多いですが、膿が溜まり過ぎてしまうと切開手術が必要になる場合もあります。
ドライアイ
ドライアイは涙の量が足りなくなったり、涙の成分が変化したりすることによって、目の表面に障害(傷)が生じる目の病気です。
症状としては目の乾きや疲れ目、目の痛みやかゆみ、目のけいれんなどがあります。
主にテレビ、パソコンのモニターを見続けるなどによる目の酷使、冷暖房による空気の乾燥、コンタクトレンズを着けている事が原因で発生が増加するといわれています。
テレビやパソコンのモニターを凝視する事で瞬きの回数が減り、目の表面の涙が減ってしまったり、冷暖房の空気が目の水分を奪ってしまう為です。
コンタクトの装着はソフトコンタクトの場合、目の表面から涙液の蒸発量が増してしまう為に乾燥してしまいます。
またコンタクトの装着は、レンズの洗浄を正しく行っていない為に付着してしまったゴミや汚れ、装着の際に誤って眼球に触れてしまうなどの為に、目を傷つけてしまい別の眼病の引鉄になる事もあります。
目がかゆいし痛い 対処ってどうする?
可能であるなら、眼科を受診するのが一番ですが、ひとまずの対処として市販の目薬を使用する場合、原因に合せた目薬を使用する必要があります。
アレルギー性結膜炎、春季カタルなどアレルギーが原因で症状が出ている場合は、抗ヒスタミン剤の入っている目薬を使用しましょう。抗ヒスタミン剤というのは簡単に言うとかゆみ止めの成分です。目薬の成分表を見てクロルフェニラミンという成分が入っていれば、それは抗ヒスタミン剤の入った目薬ということになります。(サジテンAL点眼薬、アルガードクリアブロックEXなど)
ものもらいなど、ウィルスが原因で症状が出ている場合は、抗菌の目薬を選びましょう。目薬を他の人が使う事で感染してしまうのを防ぐ為にも、一回使いきりタイプの抗菌目薬の使用がおすすめです。(ティアーレ抗菌目薬、ロート抗菌目薬iなど)
ドライアイで乾燥している場合は、防腐剤や血管収縮剤を使用していない人口涙液タイプの目薬や、粘度が高めで乾燥しにくい目薬がおすすめです。(ソフトサンティア、新ロートドライエイドEXなど)
いずれも、一週間試しても改善が見られない場合や、症状が悪化してきている場合は必ず眼科を受診しましょう。
まとめ
我慢出来ない目のかゆみですが、掻いてしまう事で症状が悪化したり、別の病気を併発してしまうこともあります。
まあ大丈夫だろうと、こすってしまわずに目薬できちんと洗浄する事が大事です。先に挙げた眼病で、すぐに失明してしまうという事は非常に稀ですが、目に傷が付く事で緑内障などになってしまうリスクも考えられます。
原因に沿った目薬を使用しても改善しない場合はそのままにせず、必ず眼科で受診して下さい。