自分で梅酒を作ってみたい。お酒好きなら一度は考えた事があるのではないでしょうか。作り方もよく解らないし、なんとなく実践出来ずにいましたが、やってみると意外と簡単です。自作の梅酒で晩酌、なかなかオツなモノです。
梅酒の作り方 種類ってどんなものがある?
梅酒を作る際に使うお酒は焼酎以外にも、ブランデーやラム酒、日本酒や泡盛など様々な種類で作る事が出来ます。
砂糖も普通の砂糖や黒糖、またはちみつを使っても作る事が出来ます。
ですが初めて梅酒を作る場合、まず失敗が少ないといわれているお酒や砂糖を使って、1度作って見る事をおすすめします。
初めて作る場合のおすすめレシピ
用意するモノ
- 5リットル瓶(密閉出来るモノ)
- 青梅(紅青梅) 1kg
- 氷砂糖 500g~1㎏
- ホワイトリカー(果実酒用)35度 1.8リットル
です。
なぜこのレシピが失敗しにくいのか
pointホワイトリカー使用するお酒のホワイトリカー。お酒は甲類、乙類、混和焼酎と製造方法や原料などにより分類されています。ホワイトリカーは甲類焼酎に分類されるお酒で、香りやクセが少なく、抽出された梅のエキスの風味を邪魔しないので、梅本来の味を楽しむ事が出来ます。
乙類に分類されているモノには、イモ焼酎や麦焼酎などがあり素材の香りが強く残っている特徴があります。
また一般的に販売されているホワイトリカーは、アルコール度数が35度あります。
これが一番大事な所で、アルコール度数が低いお酒を使うと、アルコールの殺菌力が下がるので漬けた梅が腐ってしまったり、カビが生えたりする原因になります。
氷砂糖を使うのも、アルコール度数を高く保つ為です。氷砂糖は溶けるのが遅いので、強いアルコール度数の状態が続き、梅がしっかりと殺菌されます。
砂糖がすぐに溶けて混ざってしまうとアルコール度数は下がってしまいます。
また氷砂糖は溶けた砂糖の比重で、梅が浮いてしまうのも防いでくれます。梅が浮いて空気に触れてしまうと、腐ったりカビの生える原因になります。
氷砂糖の量ですが、砂糖が少ないと梅のエキスが抽出されにくくなります。味の面でも、誰が飲んでも美味しく感じられる味にするには500gから1㎏の間で調節するのが無難でしょう。このレシピでは700gが標準的な甘さの目安になります。
point青梅梅を選ぶポイントは、シワが無くツヤがあってみずみずしいモノを選ぶ事ですが、最も大事なのは傷が無い事です。
傷があると、梅酒が濁ってしまう原因になります。生傷や、大きなかさぶたのある梅は初めに除けておきましょう。
梅の実は大きめのモノがエキスがたっぷりと出るのでおすすめです。
熟した梅で作ると甘みがありまろやかになるといわれています。しかし、扱いが難しく梅酒が濁ってしまったり、途中で梅が腐ってしまうなどの失敗をしてしまう事があります。
作り方
pointまずは用意した瓶を消毒します。瓶が大きく煮沸消毒は難しいので、沸騰したお湯を入れ、傾けて瓶を回します。火傷をしない様に注意して下さい。その後、きれいな布巾やキッチンペーパーで水気を拭き取り、瓶の口を下にして乾燥させます。水気が残っているとカビが生える原因になってしまうので、完全に乾燥させましょう。 point次に梅を水洗いします。この時、傷ついたり熟しすぎて柔らかくなっている梅は取り除きます。熟していない梅はアク抜きが必要です。2~3時間水につけておきましょう。 pointアク抜きが終わったら、きれいな布巾やキッチンペーパーで水気を取ります。 point水気を取ったら、竹串や爪楊枝を使ってヘタをきれいに取ります。ヘタが付いていると、雑味が出てしまったり他の梅を傷つける原因になります。 pointヘタを取り終わったら、キッチンペーパーなどをひいた皿に並べて乾燥させましょう。直射日光に当て過ぎて梅が痛んでしまわない様に注意して下さい。家の中で扇風機の風などをあてて乾燥させるのがおすすめです。 point乾燥したら梅を瓶に丁寧に入れていきます。ポンポン入れて梅を傷つけたりしない様に。 point用意した梅の半分ほど入れたら、次に氷砂糖を入れていきます。 point氷砂糖を半分入れたらまた梅をいれ、梅を入れ終わったら残りの氷砂糖をすべていれます。 point最後にホワイトリカーを梅にまんべんなくかかる様に回し入れて行きます。 point蓋を占めて完成です。
その他のお酒や砂糖を使った梅酒
ホワイトリカー以外のお酒で梅酒を作る場合に気を付けたい事に、梅酒の出来あがり云々以前に法律違反があります。
アルコール20度未満の酒類を使用して梅酒を作ると酒税法違反になってしまいますので注意して下さい。
その他は、基本的にはアルコール度数が35度以上という点に気を付けていれば、どのお酒でも先程のレシピの分量で梅酒が作る事が可能です。
日本酒
日本酒はアルコール度数が22度未満と法律で定められている為、市販されているモノで作るのは難しいと思われます。梅酒用の日本酒と検索すると、いくつか商品がヒットするので好みのモノを選びましょう。
日本酒の甘みがあるので、砂糖は少なめにするのがポイントです。500gが標準的な甘さの目安です。
アルコール度数が低いので、長期熟成には向きません。漬けた梅は様子を見ながら3か月から1年を目安に取り出しましょう。
ホワイトリカーで作ったモノよりまろやかな味わいになります。
乙類の焼酎
アルコール度数が35度以上のモノであれば、どの焼酎を使っても構いません。
麦や芋などの風味に梅の酸味が加わり、味に奥行きのある梅酒を作る事が出来ます。
もともとのお酒の風味を活かす為にも、砂糖は少なめに調節するのがポイントです。500~600gが標準的な甘さの目安です。
ブランデー
ブランデーを使った梅酒は、ホワイトリカーで作ったモノよりも熟成された味になるのが早くなります。ホワイトリカーの場合、熟成された味になるには1年程かかるといわれていますが、ブランデーだと3か月程です。
ブランデーの甘みがあるので砂糖は少なめに調節して下さい。500gが標準的な甘さの目安です。
ラム酒
ラム酒には熟成させる期間で種類があり、熟成させていないホワイトラム、熟成したばかりのゴールドラム、長期熟成させたダークラムがあります。
熟成期間が長いほどラムの風味が強くなるので、ラム酒をつかって梅酒を作る際にはホワイトラムから試してみると良いでしょう。
ラム酒ももともと甘みのあるお酒なので砂糖は少なめに調節して下さい。500gが標準的な甘さの目安です。
砂糖の種類
砂糖の種類も、氷砂糖の他のどの様な種類の砂糖を使っても作る事が出来ます。黒糖を使う場合は梅酒の色に濁りが出る事に留意して下さい。また黒糖や、赤ザラメなどの精製されていない砂糖にはアクがあり、若干の渋みが出ますが風味は良くなります。
氷砂糖以外の溶けやすい砂糖を使う場合は、一気に溶けてしまわない様に仕込みを終えた後すぐ全体をかき混ぜない事が大事です。
砂糖の代わりに、はちみつを使って作る事も出来ます。砂糖で作るのとはまた違った、はちみつのコクが加わった梅酒になります。砂糖よりも甘みが強いので若干少なめの分量で、500gが標準的な甘さの目安です。
梅酒の作り方 保存の容器とか保存場所とか
梅酒を作る際の容器は、やはりガラス製の密閉容器がおすすめです。
1年以内に飲み切ってしまう場合などはプラスチック製の容器でも構いませんが、プラスチックは空気を通してしまうので長期熟成には不向きです。自家製梅酒は熟成期間で変わっていく味を楽しめるのが醍醐味です。長期熟成に適したガラス製のモノを使用しましょう。
仕込みが終わった梅酒は、直射日光の当たらない場所で保管します。
直射日光が当たらなければ、常温でも構いません。冷蔵庫の様な温度が一定の場所に保管していると、熟成が進まずいつまで経っても梅酒が琥珀色に変化しません。熟成が進むには外気温の変化も大事な要素だからです。
氷砂糖や、はちみつを使って作った場合は1日に1度、優しく容器を振り砂糖とお酒を馴染ませて下さい。氷砂糖が溶け切った後は、砂糖は比重の関係で下の方に溜まるので、梅が浮いていたり、梅の下の方だけがしわしわになっていたりする事があります。様子を見ながら、均一になる様に時々瓶を振って混ぜるようにしましょう。
梅の実を取り出すタイミングですが、梅のエキスはほぼ3か月で抽出されます。砂糖の量にも影響を受けるので、梅がしっかりしぼんでいるかを目安にして下さい。
梅が痛んでいなければ入れっぱなしにしていても構いませんが、梅酒に多少の濁りが出たり、抽出された梅のエキスがまた梅に戻ってしまいます。
梅の実を食べる場合はその方が良いかも知れません。
一般的には1年から1年半位で取り出します。
作って3か月頃から飲みだしても構いませんが、飲み頃としては1年から1年半は熟成させましょう。
梅が痛んだり、カビが生えたりしていない限り賞味期限はありません。
下準備で瓶の消毒、梅の水気をしっかり切る、アルコール度数が35度以上のお酒という条件が揃っていれば10年、20年と熟成させた梅酒を楽しんでいる方も居ます。
梅酒の作り方 おすすめは?
梅酒の出来上がりの味が、甘めが好き、酸っぱめが好きと人それぞれに好みがあると思います。
1度作って見ない事には好みに合わせたさじ加減がどうしても難しいのですが、一発目から好みの味に近づけるおすすめの方法は、途中で砂糖を足していく事です。
先述したレシピの分量でいくと、氷砂糖300gで作るととても酸っぱめの味で出来上がります。酸っぱい味が好きな場合、最初に砂糖を500g入れてしまうともう後には戻れません。
まずは300gで作ってみて、梅がしぼんでエキスが抽出された頃に1度味見してみましょう。酸っぱすぎる様だったら、そこから徐々に砂糖を足しいきます。砂糖が溶けたら味見を繰り返し好みの味に近づけます。味が均一になる様に、時々混ぜるのを忘れないようにしましょう。
味見の段階で無くなってしまわない様に注意して下さい。
砂糖を少なめに作ると、梅のエキスが抽出されるまでに時間が掛かるので梅の様子をしっかり見なければいけません。
そういう手間をかけながら好みの味を作るのも自家製梅酒の楽しみかも知れません。
まとめ
梅酒は使うお酒や砂糖、熟成期間など様々な条件で味が変わります。同じ分量で作っても違う味に仕上がる事もあります。ワタシの祖母が作っていた梅酒は今や幻のレシピになってしまいましたが、家族に伝わっていく梅酒のレシピなんていうのも、なんだか浪漫を感じます。
早速梅酒作りを楽しんでみましょう。