お通夜とお葬式の受付を頼まれました。
初めてのことだったので、色々調べて心の準備をしていきました。
当日を迎え、実際に体験してみると、スムーズにいかないポイントがいくつかありました。
次の機会に活かすために、メモしておきます。
お通夜の受付のやり方をインプット
お酒が大好きだった叔父が亡くなって、叔母からお通夜とお葬式の受付を頼まれました。
亡くなった水曜日の夜のうちに、電話がありました。
土曜日がお通夜。
日曜日の朝からお葬式という日程でした。
電話からも憔悴しきっていることが分かったので、初めてでしたが力になれればと引き受けました。
妻もお通夜の受付は体験したことがなく、どのような流れでやるのかインターネットで情報を集めることにしました。
手分けをして集めた情報を整理すると、
お通夜の受付のやり方
▷お通夜の開式の時間の1時間前には会場に入る ▷葬儀社からの説明を受ける ▷会場のレイアウトやトイレの位置などの案内をできるようにしておく ▷受付に必要なものの準備- 芳名帳
- 筆記用具
- 香典受け
- 名刺受け
- 返礼品の準備
お通夜の受付の挨拶
▷受付での挨拶は遺族の立場に立って、来てくださったことに対するお礼を述べます。「本日はお忙しい中お越しいただきましてありがとうございます」
「ありがとうございます」 ▷芳名帳へ記帳していただくようにお願いします。
「恐れ入りますがご住所とお名前をご記入ください」
「恐れ入りますがご住所とお名前のご記入をお願いします」 ▷芳名帳には、フルネームだけではなく住所と会社名も記入していただくようにお願いします。 ▷芳名帳には準備の時に各行に番号を振って、記帳が終わったら受け取った香典袋に同じ番号を記入しておきます。 ▷香典を受け取る時には
「お預かりいたします」
「ご丁寧にありがとうございます」 ▷必ず両手で受け取って、一礼します。 ▷弔問客が受付を立ち去ってから、会計係に渡します。
高額な現金が入っているので取り扱いには十分注意が必要です。 ▷弔問客が芳名帳への記帳を済ませたら、返礼品を渡します。
香典が連名になっている場合、全員に返礼品が行き届くように数を確認してお渡しします。 ▷芳名帳への記帳は時間がかかるため、混み始めると順番に列を作る形でお待ちいただくことになります。
通常は芳名帳を2冊3冊と用意しておき、同時に記帳できるようにしてあります。
葬儀の場合には、さらに芳名帳を増やしたり、受け取って記帳をお願いする係と、返礼品を渡す係を別々にするという対応も必要になってきます。
規模にもよるので世話役の人と綿密に打ち合わせをしておきましょう。 ▷受付が終わったら、式場へご案内します。
式場によっては案内係がいる場合がありますが、受付係が案内係を兼ねる場合があります。
▷会場レイアウトは頭に入れておきましょう。
「告別式はあちらで行います」
「靴を脱いでお進みください」
式場の案内係の人に、対応の仕方を確認しておきましょう。
ざっとこんなことを頭に入れて当日を迎えました。
この流れをギッチギチに頭に入れてしまったもので、当日臨機応変に対応するのに時間がかかりました。
柔軟性って普段から意識しておきたいものだって、改めて思いました。
お通夜の受付 対応が実際に始まると
約1時間前に入ったが・・・
式場について、ちょっとトイレに行ったりしたもので、58分前ぐらいに着きました。
親戚に一通り挨拶などをして、受付に入ったのはさらに5分ほど遅れました。
すると、すでに式場の方の説明が始まっていました。
で、聞けなかった説明を、先に聞いていた受付を一緒にやる方に教えてもらっている間に、弔問客がパラパラ来始めました。
お通夜は18:30開始だったのですが、17:40に最初の弔問客が受付を済ませました。
そこから、説明聞きながら、対応しながらという流れになりました。
年配の方が亡くなると、当然同年代の方もお見えになります。
現役を退いている年配の方が、早くから受付を済ませるということがあるようです。
初めて受付を任されたという場合、1時間30分前には式場に入っておいたほうがいいです。
式場の方との打ち合わせには必ず間に合わせましょう。
フロントと会計
受付の担当に配置されたのは、7人でした。
フロントの弔問客対応が4人。会計係が3人という配置でした。
受付の横に、扉で仕切られた小部屋があり、そこで香典の金額をチェックするという流れでした。
前日までにネットでしらべてインプットしてきた情報だと、
↓
両手で香典受け取って
「お預かりします」
↓
「恐れ入りますがご住所とお名前のご記入をお願いします」
と芳名帳に
↓
芳名帳の行番号を香典に記入
↓
芳名帳の記入が終わったら
「ありがとうございます」
↓
「こちらをお持ちください」
返礼品を渡す
この流れを妻と練習していました。
で、実際は、
芳名帳の記入が無く、受付に来る前にカードに記入という流れでした。
式場の入り口で必要な項目を記入するように、式場の係の方がアナウンスしていました。
カードに記入してから受付。
入り口でカードに記入していない方が受付に来たら、カードへの記入をお願いするという形式でした。
このカードに番号は入っていませんでした。
ある程度ためて、香典とカードをセットで会計係へ渡す流れでした。
そして、番号が入っているのが返礼品の引換券。
連名の香典があった場合は、その分も引換券を渡すとのことでした。
ということで、あれだけ妻と練習した流れは、
↓
両手で香典受け取って
「お預かりします」
↓
カードの名前、連名、会社名などが香典と同じか確認
↓
「こちらをお持ちください」
返礼品の引換券を渡す
という流れが本線になりました。
前日にヘタに練習したもので、芳名帳の記入案内、番号記入という手数が減り、セリフも大幅に減ったにも関わらず、噛み倒してしまいました。
前日、思い込みで練習なんざしないほうがいいです。
そんな中で、対応に戸惑ったポイントを上げておきます。
戸惑ったポイント
香典の金額間違い
香典袋には1万円と書かれているのに、5千円が入っているものがありました。
会計係がチェックして見つかりました。
こういうとき、どうするのかなと思ったのですが、早急に対応すべきとのことでした。
すぐに香典に書かれたお名前の方を会場で探し、受付に来て頂きました。
金額が違うこと伝えると、
「あ、ごめんごめん。あいつに値切りやがったなって言われちまうな。」
と言って、1万円を入れ直しました。
故人と仲の良かった友人の方でした。
ここは式場の係の方や、親戚の方に確認しておくべきポイントですが、
- 探して
- 受付まで来て頂いて
- 香典袋の金額を確認して頂く
という対応をしました。
連名、会社名の確認
香典の名前の横に会社名がある場合は、会社の代表の方なので、返礼品の引換券は1枚とのことでした。
香典の名前の横に、連名で名前がある場合は、2人分がまとまっているということで、返礼品の引換券は2枚とのことでした。
受け取った後で、迷った香典がありました。
香典の名前の横に、カタカナ5文字が書かれていました。
会社名だと判断して、返礼品の引換券は1枚お渡ししていたのですが、間違いでした。
カタカナ5文字は、外国人妻でした。
会社っぽい名前でした。
フロントの1人が気づき確認したところ、2人の連名でした。
返礼品の引換券は2枚が正解でした。
外国人妻名と会社名は間違えないように確認しましょう。
返礼品の引換券
細かいポイントですが、結構苦戦したポイントなので書いておきます。
返礼品の引換券が名刺サイズで、ピッタリ重なっていました。
ピッタリすぎて、潤いの無い乾燥した手だと、スッと1枚だけ取るのが難しかったです。
手にハンドクリームを塗っておくなり、指サックを用意するなり、引換券を軽く丸めて取りやすくしておくなり、受付時間前に対策しておけばよかったと思います。
バックヤードの声
会計係の部屋の声が、結構外まで聞こえていました。
部屋の中にいると、外の様子がわかりません。
お通夜が始まったら、会話のボリュームを下げるように、早めに声をかけてあげましょう。
焼香のタイミング
受付の焼香は弔問客が来る前なのか、最後なのか、ネットではどっちの場合もあったので、どうなるのかと思っていました。
「受付の方も親族なので、一般の方の前に焼香していただくことになります。」
とのことでした。
7人いたので、3人と4人に分かれて、式場の方が誘導してくださいました。
遅れてきた人への対応
焼香の時間が終わってから、受付に来た方がいらっしゃいました。
その方は受付が済むと、何も言わずに焼香台の前に入っていき、焼香をして席に着きました。
お坊さんがお話をしている途中だったのか、入ってはいけないタイミングだったようで、
式場の係の上司の方が、案内係の部下の方に、これはマズいって目を向けていました。
手でバッテンを出していました。
式の流れの中で、入ってはいけないタイミングというのがあったのでしょう。
遅れてきた人の誘導は、最初に確認しておくべきだったと思いました。
供花や弔電
供花や弔電を受けるのも、受付の仕事という情報も目撃していたのですが、全くノータッチでした。
翌日のお葬式の受付
翌日のお葬式は、お通夜に比べると受付業務は減ります。
告別式にだけ参加の方は、前日に香典を頂いているので、受付ですることがありません。
法要に参加する方のみ、前日同様、金額の確認をしました。
芳名カードに法要の「法」の字を書いて、お通夜の香典と区別しておきました。
お通夜の受付のやり方は地域によって違う
叔父は北海道の生まれでした。
埼玉県で暮らしていたので、お通夜、葬儀の式場は埼玉だったのですが、北海道から親戚がたくさん来ていました。
お通夜の受付は、叔父の親戚側からも何人か担当されていました。
いろいろお話しまして、お通夜の受付のやり方の違いについて教えてくださいました。
北海道では、お通夜、お葬式の受付で香典を受け付けると、その場で領収書を出すそうです。
受付で香典の中を確認して、目の前で領収書を発行するのだそうです。
北海道からの受付担当の方は、念のために領収書の準備してきていました。
喪主の名前で、但し書きは「香典代として」だそうです。
香典袋も、すぐに中味の確認ができるように、水引が印刷されている簡易タイプがマナーだとか。
そして、香典返しが無いそうです。
半返しと言われることもあり、お礼状・挨拶状を添えて、香典の半額から3分の1程度の金額の品物を贈ります。
カタログギフトなどが増えています。
お通夜当日、受付でお渡しする返礼品(会葬御礼)は、式に参加して頂いたことに対してのお礼の品なので、香典返しとは違います。
この香典返しという習慣が無いのだそうです。
葬儀は誰でもやることなので、見返りは求めないという考え方のようです。
なんか、その考え方って筋が通ってていいなって思ってしまいました。
冷静に考えれば、返してもらうって変な話にも感じます。
いろいろ大変でしょうが、香典で応援させてくださいって気持ちで持っていくのに、半分返す習慣っていらない気がします。
で、また我が家で言えば、主流になっている香典返しのカタログギフトが、そんなに欲しいものが無くて、結構期限切れになります。
お通夜と法要で、夫婦でそれなりの金額になり、その半額分、どれを選んでいいかわからないカタログギフトが届く。
だったら、香典の金額を少し下げて、香典返し無しの方が出費の面で助かります。
アラフィフのおっさんの親の世代は、兄弟が多いです。
叔父、叔母の人数が多いです。
妻の叔父、叔母も多いです。
それを考えると、今後の出費の準備はしておかなければなりません。
お通夜の受付をすることで、いろいろ考えてしまいました。
このお通夜、葬儀の風習がこのまま続いていくとしたら、これからの若い人たちは、香典代って大変だろうなと感じました。
高齢化社会を支えていかなければいけない若い人達に、お金という負担をかけて死んでいくのかと考えると、申し訳ない気持ちになってしまいます。
自分の親の世代のことは、希望に沿ったものにしたいと思っています。
ただ、自分の順番になったときに、どうすべきか考えてしまいます。
いろいろ方法はあるはずです。
知っていればこの方法がよかったと、後で後悔しないように、選択肢は勉強しておきたいものです。
高齢者と若い世代のバランスが崩れているのは明らかなので、葬儀のやり方も変化していくかもしれません。
現時点での知識を入れておかねばと、お通夜の帰り道に感じました。
まとめ
お通夜の受付、やってみるといろいろ準備ができていないことがありました。
ネットで調べた情報では想像しきれない展開がありました。
至らない部分が無いように準備すべきですが、故人の親族に、遺影の前でクレームをぶつけてくるという方もそんなにはいないはずです。
一生懸命、丁寧に心をこめて対応するという意識があれば、きっちりできます。
受付を頼まれるということは、信頼されているということです。
落ち着いて、丁寧にを意識して頑張りましょう。